Portfolio

短歌、時々雑文

J

もし君の一瞬を切り取れるなら君の痛みも手に入るのに

ポケットの宝物が点々と君の辿った道を示すよ

あかねさすむらさき草のかんざしをあなたにあげる好きのしるしに

桃色のジェリービーンズ食べ飽きて次は水色悪びれもせず

冥王星にあなたがいても見つけるだろうこのペンライトの銀河の果てから

君の色に塗ったペディキュア ヘルメスの靴かイバラの足枷なのか

J

君の声初めて聴いて気付くだろう君の声など知らないことに

雪の庭きみに汚してほしいから今日はぼくから会いに行かない

慎重にことばをえらぶくちびるの横にえくぼの句読点打つ

ねえ僕を飼い慣らしてと囁いたフェネックの君また背が伸びた

それ一口ちょうだい幼友達のままの道草サイダー苦し

アネモネの花叢に坐す少年の頬辺(ほおべた)染めしアドーニスの血

矢印で指した未来へのステップ刻む靴音軽やかになり